内臓料理の概念が

食べ歩き ,

内臓料理の概念が変わった。
普段口にしたこともない料理人が、真摯に内臓や肉と向き合い、どう生かしたらいいかを考える。
野菜と肉だけで、どれだけの料理ができるか考え抜く。
センマイからはしなやかな食感とエレガントを引き出し、小腸はうちに秘めた繊細さを見出させる。
ぬかで八時間炊いたというハチノスは、一瞬脆弱さを見せながら消えていき、ミノは食べたことないような柔らかさで溶けていく。
心臓と赤こんにゃくを合わせ、ツラミのくにゅっとしたコラーゲンを含んだ食感と椎茸を合わせる。
食感の対比や共鳴、香りのアクセントや味わいの同調を巧みに織り交ぜられて、ジビーフの内臓が誇らしげに歌う。
内臓嫌いも内臓好きも酔ったその料理は、17種類。
センマイ、ホソ、ハチノス、カメノコ、心臓、ヒウチ、リブロース、ミノ、ツラミ、タン、ヘレ。
大阪「遊山」25周年記念イベント 難波割烹㐂川 上野修氏、渾身の内臓料理が我々の舌を打ちのめす。
それは、日本料理における、食材を生かすという哲学の凄みを味わった夜だった。