会津若松「うえんで」の麺は、根性がある。
平打ちちぢれ太麺は、ほうとうかパッパルデッレか、讃岐うどんか。
いやそれ以上に手強くて、もはやすするというより、2本ほど持ち上げてかじりつくといったほうが正しい。
そして噛むこと30回、歯を押し返そうとする根性と戦いながら噛んでいくと、ようやく喉元へと落ちていく。
このたくましきモチモチが曲者で、澄んだ味わいのスープと合わさって、記憶に深く刻まれる。
だから食べ終わってしばらく経っても、ふと思い出すと、歯はあのモチモチを求めて疼きだす。