京都「殿田」 

他人丼 <京都の平生>59

食べ歩き ,

今日は、「他人丼」を食べようと決めていた。
他人丼といえば、豚が多いが、京都では、牛肉である。
甘辛いつゆを抱いた卵とご飯を描き込み、やはりおいしいなあと、ひとりつぶやく。
次に牛肉に箸を伸ばす。
牛肉は甘辛く炊いてあって、豚よりはるかに箸を加速させる。
牛肉を一切れ食べた瞬間、あわわわとなって、ご飯を猛烈に掻きこむ。
この力は、牛肉にしかない。
途中で山椒のアクセントを楽しみながら、食べ進む。
レンゲがついてきて、確かに京都の卵とじ丼は、写真のように汁だくなので、レンゲの方が食べやすい。
しかしである。
丼に口をつけながら、箸で吸い込むように食べた方が、はるかにうまい。
空気流入が起こるので、香りが立ち、喉奥から鼻へと抜けていくので、コーフン度がまったく違う。
丼とは、こうして食べるものである。
全メニュー制覇に臨む、京都「殿田」にて。
最後の写真は、前菜のそうめん。
つゆにうずらの卵とは。