亀の手

食べ歩き ,

亀の手は貝のように見えるが、甲殻類である。
強めの塩で塩茹でして、茹でたてを食べるのがうまい。
硬い殻のキワを、つめ先で破り、慎重に引きちぎって身を引きずり出したやる。
いい、亀の手はご覧のよう赤い汁が、飛び散る。
これが甲殻類である証なのだという。
この飛び散った汁を、身になすりつけるようにして食べるとうまい。
すると、貝のミルキーな旨味とエビの甘い香りが入り混じった味が、口の中に広がって、ああこれは効果うるいの仲間なんだなあということがわかる。
なにしろ貝の旨味とエビの香りの融合である。
止まらない。止まりません。
見た目はちょいとグロテクスだけど、人の心を虜にする術を持っている。
いい奴は中指よりも親指状のずんぐりむっくりしたやつである。
日があまり当たらずゆっくり成長して、旨味がました証なのであるが、そういう奴は激しい波が打ち寄せる岩場にいて、命綱をつけてとるのだが、一年に一人は亡くなるという厳しい漁なのである。
だから高価である
上は「ibai」、下は旧市街のバルのものだが全く形状が違う。(すいません写真あとであげます)
当然ながら上の方がダントツにうまい。
今回「エチェバリ」のスーシェフと食事する機会があったが、「エチェバリ」で使っている亀の手を見せてくれた。
おお、それは、相撲取りかアンドレジャイアント並みの親指で、なんと一個180ユーロするのだという。