丸の内「センチュリーコート」の鏡シェフによる三重の食材を使った料理フェアが7月末まで行われている。
熊野灘の赤あわびは、加熱による縮みが少なく柔らかい。
海洋バターで蒸し焼きにした鮑に歯を立てると、グッグッグと押し込むように入っていき、その凛々しい肉質とは対照的な優しい滋味が、いつまでもいつまでも口の中に滲み出る。
甘みと酸味を巧みに忍び込ませた、海苔の香りがする肝ソースが、その鮑のうま味を盛り立てる。
鯛と蛤の出汁に入れられた桑名の蛤は、これ以上ないふっくらとした表情で、スプーンですくっただけで笑顔になってしまう。
こいつは舌の上に乗せ、しばし待つ。
そしておもむろに噛めば、ミルクのような滋養がじゅるじゅると流れ出るのであった。
近藤ファームの野菜、すぃーとぽたけの根菜、中林牧場の伊勢牛、荻野ミカン園のマイヤーレモン、熊野地鶏、東海醸造の味噌、百花の蜂蜜、かきうち農園のみかん。
三重の豊かな大地と海と空気と水に感謝。
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