~世界一の朝食~

食べ歩き ,

~世界一の朝食~

これが朝食か。
ペルーの人たちは、とにかくよく食べる。
平均身長は、日本人が170.7 で、ペルー人が164なのに、よく食べる。
世界一の朝食と称される店は、旧市街の外れにあった。
治安が悪い場所である。店の隣には、老練の男娼が住む(実際いらっしゃった)家で、夜になると何人もの男娼が立つ。
人通り少ないそんな場所で、一角だけざわめき、行列ができていた。
チチャロンサンドの名店、「CHINITO」である。
むくつけき男たちが、子供のような顔して並んでいる。
中では、延々と豚肉を揚げ続けている男たちがいる。
豚肉を、低温の油でコンフィ状態とし、注文が入ってから高温の油で揚げ、手早く切って、玉葱と主にたっぷりパンに挟んで手渡す。
それだけなのだが、いやそれだけだからとてつもなくうまい。
下品の力がみなぎっていて、食欲の根底をワシヅカミする味だ。
豚のエキスや、皮下のコラーゲンの優しさや、脂の甘みが渾然となって、オラオラとあおってくる。
豚のほかは、七面鳥としょっぱい北方のハム。こちらも厚切りで、これでもかと入っている。
後はお腹を空かすだけ空かせて、口をあんぐりと開けて齧りつくだけさ。