一皿の中で、大人と子供がせめぎあっていた。
軽井沢「ラ・モンタニョン」の「シャルキュトリー屋のナポリタン」は、トゥールース風ソーセージやストラスブール風ソーセージに、熟成白カビソーセージと生ベーコンのポワトリー・フュメが入っている。
ナポリタンは、正統ケチャップ味で、一口食べた途端に子供になる。
「ワーイ」とはしゃぎながらソーセージを食べれば、複雑な香りやらエッチな香りが渦巻いて、ドキリとする。
ナポリタンには昼の明快があり、ソーセージには夜の神秘がある。
その二つが入り混じり、体の中を大人と子供の気分が行き来する。
「ワーイ」と「ウフフ」。
ナポリタンに、人生の深みを教わるとは。
大人と子供のせめぎあい。
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