ラザニアではない。
「ヴィンスグラッスィ」である。
もしマルケ州で、この料理をラザニアと発言しようものなら、地元の方は烈火の如く怒るだろう。
基本的な作り方はエミリアロマーニャの郷土料理である、ラザニアと同じである。
しかしヴィンスグラッスィのラグーは、ひき肉系でなく、l細かく刻んだ肉を使う。
しかも内臓が多い。
今回は、鶏レバーに砂肝、牛の内臓類が刻んで入っていた。
つまり。
乱暴に言えば、もつ煮込みがラザニアになっているのである。
モツの旨みに、ホワイトソースやチーズの旨みが重なっているのである。
こりゃあモツ好きにはたまらない。
重なり合った旨みが、舌の上でくんずほぐれつ爆発していく様に、やられた。
できうれば、おかわりしたい。
いや前菜もメインも食べずに、これだけ腹いっぱい食べたい。
食べてワインを飲み、また食べてはワインを飲みたい。
きっとそう思ったのは、僕だけではないだろう。
西麻布「オステリアトット」マルケ州郷土料理の会にて