レバノンくせになりそう。

食べ歩き ,

そのうっすらと茶色味を帯びた、白いペーストを、ひと舐めした瞬間、心が溶けた。
アメリカ、フランス、ロシア、ギリシャ、ポーランド、メキシコ、チャイナときたら、次はレバノンだあと、モダンレバノン料理の店「ILILI」で食べた「フムス」である。
今までなんどもこの料理を食べたが、こんなにエレガントな味わいは、食べたことがない。
豆とゴマの穏やかな甘みが広がって、そこへ上質なオリーブオイルのメロンのような香りが追いかける。
ピタパンにつけて食べれば、永遠に食べることができる。
さらにムサカは、トマトの旨味とナスの香りが馴染み馴染んで一体化し、顔を崩して、限りない。
そこへスープが運ばれた。
伊藤くん。レンズ豆のスープだよ。
「ああ」。一口飲んで、声にならぬため息が漏れた。
南インドのスープ「ラッサム」を穏やかしたように、地平さんの彼方まで優しい。
一口すすれば、体の隅々まで染み渡って、幸せが迫り上がる。
レンズ豆、クルトン、ポテト、レモンにコリアンダーと少しだけクミンだろうか。
なにか青菜も入っている。
これ絶対あっちゃんが好きなやつだね、とすのちゃんと話し合った。
あっちゃんは飲んではいないけど、作ってね。
さらに焼いたバミセリにココナッツ、ナッツ類と炊き込まれた、レバノンライスの「RIZ」も品のいいおいしさで、心を引っ張る。
肉団子の「KIBBEH Bi Laban」は、ヨーグルトとアレッポペッパー、ミント、Kouzbara(コリアンダー)で甘く味付けした料理、ヨーグルトとニンニク、多分パプリカを混ぜたソースにつけて食べると、鼻息が荒くなる羊肉と牛肉のつくね焼きの「KAFTA」もいいのだな。
こりゃあレバノンくせになりそう。

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