レバニラである。
イタリアンで、レバニラで ある。
ああ、なんと芳しいお姿だろう。
食べれば、健やかに育った牛のコプチャンの脂が、きれいで濃い甘みを広げる。
続いて、新鮮なレバーがチョコレーのような蠱惑的な甘みが現れて、心を焦がし、ニラの爽やかな甘みが追いかける。
つまり三種類の異なる甘みが、口の中で響き合い、溶け合うのだった。
僕は、この三位一体の甘みが織りなす共演を前にして、無力となり、ただただ情けなく、へなへなと笑うのだった。
駒澤「イルジョット 」にて
おそらくトスカーナ料理、「フェガテッリ・ディ・アニェッロ」(細かく刻んだ羊のレバーを腸に詰めて炭火焼きにした料理)をヒントにしたのだろう。







