フランス人でも

食べ歩き ,

フランス人でもイタリア人でも、思いつかないだろう。
辛味に白トリュフ。フカヒレに白トリュフ。
「松露排翅」。発酵した青唐辛子の酢漬けで味付けたフカヒレである。酸味と辛味が舌をキックする。
ヒヒーと叫んで痛めつけられた舌を、フカヒレの柔らかな食感が撫でる。
そして喉に落ちかかる刹那、トリュフが顔を出す。
淫らな香りが、口腔を舐め、鼻に抜けていく。
いじめられていたのに、いつしか褒められ、頭を撫でられて、最後に誘惑する。
このツンデレ感がたまりません。
女子プロレスラーにキックされた後に、芸妓にハグされ、女優からウィンクされる。そんな繰り返しに、ズブズブとはまっていくのです。
さらに白木耳、クコの実、豆のデザートに、蜂蜜に漬けたトリュフの薄切りが二片。こちらは、甘く甘く色香が溶けるのでした。

趙楊にて。