フカヒレに命を感じないのは僕だけだろうか?
生命の神秘は感じるが、血を感じない(。
銀座「趙陽」での春節料理の一皿、「松露排翅」。
見事な青鮫のヒレは、酸辣風味のスープを芯まで吸い込みながら、佇んでいた。
そこに四川省のトリュフを合わせて食べてみたらどうだろう。
楚々としたフカヒレが、突然命を吹き込まれ、歯に迫ってきた。
ブリブリッと音を立てるかのように、歯応えで命の様を訴えてくる。
血が通っているかのようであり、または茸のようでもあるではないか。
トリュフのフェロモンに、勃起したのではないか。
そんな夢想してにやにやとしながら、とてつもなく妖艶になったフカヒレを、ブリブリッと噛み締めた。
フカヒレに命を感じないのは僕だけだろうか
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