ドーン

日記 ,

ドーン。
皿が置かれた瞬間、地響きが鳴り渡った。
ロジャー・フェデラーの喜びが弾けた、翌朝のメルボルンのことである。
朝は軽くラテとフルーツ盛り合わせか なと、食堂に入るも、ファーマーズブレックファーストという文字を見つけて、気がついたら頼んでいた。
サガである。
せっかくメルボルンに来たのだから、この地にふさわしい
物を食べるのが、タベアルキストだろうと、自分に言い訳をする。
ベイクドトマト、目玉焼き、ハッシュドブラウン、銀色の小鍋の中には、ベイクドビーンズ、フェンネル風味の堂々たるソーセージ、葉類の下には、おおむねカリカリで、塩味たくましいベーコン3枚、椎茸のソテー、サワードゥパン。
少しつまんでと思いながらも、それではこの地に来た意味がないと、また言い訳しながら、ほぼ平らげた。