東銀座の「チョウシ屋」といえば、元祖コロッケを名乗る、昭和二年創業のお店。店頭で揚げているコロッケやメンチカツ、ハムカツ、イカフライ、ポテトサラダがおいしいお店だ。
この店でコロッケパンを買い食いするは、五十過ぎてもやめられぬ。人気はコッペパン挟みだが、僕は食パン派。息子さんが揚げたコロッケをお母さんが受け取り、パンの片面にマスタードを塗ってコロッケを置き、ソースを小柄杓でかけてパンを乗せ、二つに切って出来上がり。その間たったの三十秒。
つまり上からパン、ソース、コロッケ、マスタード、パンの五重構造になっているというわけだ。
食べ方は、これをくるりと裏返して(つまりソース側を下にして)食べるのが正しい。
あんぐりと口をあけて噛めば、歯が柔らかいパンにめり込んで、カリッと衣にあたる。舌にはソースのうまみとジャガイモの甘みが広がって、思わずにんまり。
「ああうまい」と一人つぶやいたあとから、マスタードの香りがアクセントとなって漂う仕組み。
やめられませんって。
チョウシ屋コロッケの食し方
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