チェンチ

食べ歩き ,

「チェンチ」での最後の皿は、「七草と猪のリゾット」だった。
青々しい香りが弾ける中で、猪の滋味がじっとりと滲み、森の中で猪が草を食んでいるかのような情景が、浮かび上がる。
「浜作」での、最初の一皿は、七草粥とカラスミを鋳込んだクワイの団子だった。
一口運ぶと、草の命が香って、体が浄化されていく。
クワイの淡い甘みが、舌に溶けていく。
昼の最後が夜の最初に繋がった今日一日に感謝をし、しみじみと無病息災を願う。
京都にて。