ジャングリラホテルの

食べ歩き ,

ジャングリラホテルのアンドレアシェフからもらったカステルマーニョとメッツェベンネリガーテで、お昼ご飯を作った。
このカステルマーニョは、年季の入ったもので、複雑な味がする。
うまみはもちろんのこと、酸味、微かな苦味などが入り混じって香りにも混沌があって、歳を重ねたフォンデュのような味である。
これだけでは強すぎるので、パルミジャーノを混ぜ、クリームと発酵バターを入れて作った。パスタは、「うちにファルファッレがあるから作るよ」と言うと、「いや絶対ペンネじゃないとダメだ」と、アンドレアが言う。
「ならばペンネを買って作ろう」と言うと、「ただのペンネじゃダメだ。メッツェベンネリガーテじゃないと」とパスタまで譲ってもらった。
かわいいペンネである。
一つ一つが、コク深くちょいとクセのあるチーズソースをまとって、威張っている。
小さいながらも存在感が増し、このソースと一体化している。
一つ食べてはうなずき、また一つ食べては笑う。
そうか。
大きなペンネリガーテでは、ソースとのバランスが悪い。
味が強すぎて野暮ったくなってしまう。
小さき身にまとった、たくましさこそが、我々に勇気を与える。
そんな粋を、イタリア人はよく知っている。