サバの白子!で悶絶すの巻。
先日高知へ行った際に、土佐清水まで足を延ばした。
「ほざき」で「清水サバの焼シャブ」を食べるためである。
焼シャブとは、熱した石板の上で刺身にしたサバをさっと焼き食べる。
ただそれだけなのであるが、それだけであるがゆえにうまいのである。
なにしろ刺し身がいい。
赤く燃える鯖の色合いに、いごっそうの勇壮がある。
噛むと、一瞬歯を押し返すような弾力が、ブリッブリッと音を立て、コーフンの極みに引きずり込む。
まだ脂はのっていないが、その分、品のある甘さや鉄分を感じられ、鯖という魚の未知なる領域に足を踏み込んで、目を丸くする。
この焼きサバしゃぶにつきものなのが、白子と心臓である。
小さな心臓は、コリッと歯の間で弾むと、血の味をほんのり染みわたらせる。
そして白子にやられた。
例えていえば、ふぐの白子のねっとりとした甘味に、カワハギの肝の香りと味の深みを混ぜたような、そりゃあ驚天動地、酒を飲まなきゃやってられませんぜ兄貴という味なのである。
一口食べてのけぞって酒を飲む。
二口食べて一人で笑い酒を飲む。
二切れで、二合飲んでしまった。
二切れ目は、右側を良く焼き、左側をレアで焼き、食べてやったぞ、どうだこの野郎。
レアのいたいけな色気とよく焼きの円熟した艶。
ああ、もう堕落してもいいですか。