三田「コートドール」

全メニュー制覇。

食べ歩き ,

コートドールメニュー全制覇。

なんだか思いついちゃったんですね。
脈略はないんですが、
以前からふつふつと考えていて、
今年こそと決意したわけです。
しかし、優柔不断、三日坊主、軟弱な性格ゆえ、
いつ挫折するかわからんのですね。

そこでせめてもmixiの仲間には、宣言しちゃう。
ブログにも書いちゃう。
宣言して、記録し、後戻りできないようにしちゃると、思ったわけです。

正月明け、ランチ営業の初日にうかがいました。
久しぶりだなあ。

アラカルトで、と意気込んでいたものの、デジュネの内容を聞いて、変更。
初日だし、安定が無難か。

アミューズは
桜海老のトースト
バケットにグリュエールチーズと桜海老。
香ばしさに、胃袋が目覚め動き出す。

前菜は
「千葉銚子産のサワラの燻製 紅心大根と共に」。

サワラを片面だけ胡桃で燻製にし、酢漬けの紅心大根とにんじんを添えた一皿で、コリアンダーとカルダモンが散らされている。
しとやかで、脆弱、時としてエロティックなこの魚の持ち味を生かしつつ、燻製によって、逞しさを付け加える。
その両面が舌の上で広がって、ドキリとさせる。
燻製の面、生の面、舌の上にどちらかを乗せるかによって、表情を変える。
しかもスパイスがエキゾチックに盛り上げる。
色っぽい艶やかな薄化粧の下から、純真が見え隠れするときめき。
対照的な食感の紅心大根が、その印象を深くする。

主菜は
「高知土佐清水のスズキのカリカリ焼き シェリー酢ソース」
皮面をカリカリに焼き上げたスズキのロースト。
シェリー酢ソースには、黒胡椒が散らされている。
スズキの上は、クールジェット。

凛々しい。そのままに皿の上で爆ぜる。
身が弾け、食べろ食べろと誘う。
スズキの、冬の甘みを、キレのいい酸味が後押し、精妙な量の黒胡椒が野生を蘇らせる。
簡潔。
口が洗われるような、料理の簡潔なたたずまいに、唸る。
メモリをゼロに戻す。

デセールは
「チョコレートのマルキーズ コーヒーソース」
上質なチョコレートにソース
どうしてこのソースの量が決められるのだろう。
あくまでチョコレートを立たせつつ、コーヒーならではの苦みが、チョコの苦みと調和し、チョコの輪郭をふんわり際立たせる。

いずれの皿もフランス人には作れない、自然との共生というDNPを注入した、簡素な力強さに満ちている。

うん。
そうだ。
明日から、
人に優しくならなくちゃ。