カツカレーを考えるに、とんかつという点から見れば、とんかつ屋で、カレーから考えればカレー屋に軍配が上がりますが、とんかつ屋は専門店だけにカツが厚くて威張りすぎ、カレー屋は、スパイスの強さがカツと合わない感がある。

カツカレーのカツは薄く、カレーはほどよく香り高い方がいい。その方が、カツとカレーが馴染む。というのが持論です。

その点、カレー屋である「ロダン」のカツカレーは、理想的な薄さです。

またカツにカレーがかからず、揚げたてのカツに敬意を払っている点もいい。

またカレーは、香りが極めて高いものの、どこか日本的郷愁を感じさせる甘みがあって、それがカツによく合うのです。

カレーを頬張っては、カツを食べる。

カツを齧っては、カレーを食べるといった具合に、食べ方を交互に楽しみながら一方で、カツ一切れにカレーをまんべんなくまぶし、放置しておきます。

最後の一口にこいつを食べる。

するとカレーとカツが渾然と馴染みあった丸い味が広がって、満ち足りた気分となります。