東銀座「レフアオキ」

エレガントでさえある。   

食べ歩き ,

アミューズは赤カブの冷たいポタージュリエだった。
地味な食材ながら、美しい。
一口飲むと、カレーが香り、その後からカブの甘みがのっそりと広がっていく。
カレーの香りで食欲が刺激され、カブの甘みで一息つく。
アミューズにふさわしい一皿である。
カブは、ほのかに土臭さがあるものの野暮ったくない。
流されたバルサミコ酢が締めているのだろう。
エレガントでさえある。
カレーの香りのことを聞くと、カレーオイルを作って入れているのだという。
ミルポワをよくよく炒め、カレー粉とコリアンダーやタイムなどを入れて炒め、オイルを注いで保存したものである。
だから香りが丸い。
ほんのりエレガントさも滲み出ている。
このカレー香の使い方に、僕はたまらなくパリを感じるのである。

「レフアオキ」にて。