アマガレイは一筋縄ではいかない

食べ歩き ,

アマガレイは一筋縄ではいかない。
ゆっくりと噛むと、ほの甘い香りがゆっくりと流れ出すが、それから彼女は素顔を見せ始める。
どこまでも毅然として、キリッと気取っているのに、いつの間にかその凛々しい張りが弛緩して、婀娜の美が現れる。
端正に着物を着込んでいるのだが、なぜか首筋や目線に緩みがって、誘われる。
それが甘みなのか、脂なのか、あるいは香りなのかはわからない。
ただ普通のマコガレイにはない艶美が確かにあって、噛むほどに溢れ出て、心を陥落させようとするのである。
大阪「もめん」にて