「シュロッス・ヴァルトブルグ」

アイゼナハ

食べ歩き ,

バッハが生まれ、ルターが聖書をドイツ語に翻訳した、チューリンゲンの森に囲まれた町にやってきた。
その町をヴァルトブルグ城が見下ろす。
この城でワーグナーはタンホイザーを書き上げたという。
城に併設するのが、中世そのままのレストラン「シュロッス・ヴァルトブルグ」。
頭上にはローソク型ランプがいくつもついたシャンデリアが室内を照らし出す。
そして。
窓に目をやれば、胸のすくようなチューリンゲンの森が広がっている。
どこまでも遠く、澄んでいる。
森の向こうには、ニンフやホビット、ゴブリンがいるのか。
さてここでもドイツ料理の洗練とたくましさを痛感。
トマトとホワイトアスパラガスのそれぞれの持ち味がうっとりと共鳴しあう、二種のスープ。
炒め煮にした猪は、日本で食べる猪と違って、実に奥深い味わい。濃密なローズマリーソースが盛り立てる。
ガルニは、やさしいポテト団子とキャベツのクリーム煮。
グリルした骨付き豚ロースにパルミジャーノをからめた玉ねぎのグラタンを載せた、これでもかのうまみ攻撃に笑いが止まらん。
トマトの甘みと酸味がほんのりと利いたパスタも、バルサミコのコクが利いて、心緩む
様々な前菜が盛りあわされたスペシャリテも、一つ一つに丁寧な仕事が光る。
実質と繊細。風格と温和。

ドイツの食事を舐めたらあかんで。

また言われちまいました。