羊にはまっている。といっても流行のジンギスカンではない。その一つが、マイミクQ太郎さんに教わった中国延辺朝鮮族自治州料理(はぁ、長い)の「千里香」だ。
テーブルは、真ん中が掘られて炭が入るようになっている。羊串肉は羊カルビが一本157円、ラム骨付きカルビが840円、羊スジが210円。
どの卓上にも生のにんにくが置かれ、早くも戦闘モード。
塩ピーナツやもやしナムルなどの突き出しが出た後、謎のスパイス小皿が運ばれた。
スパイス小皿をなめてみた。ミックススパイスはクミンの香り強く、味の素の味もする。なにが店員に聞いたが、言葉があまり通ぜず、わからず終い。あとは唐辛子とフェンネルシードだ。
羊串登場。鉄串のため全面をきれいに焼くにはコツがいるが、強いスパイスとクセのある羊の香りがぶつかりあって、酒を呼ぶ。味の素のちょいと下品さもまたよし。骨付きもレアに焼いてかぶりつく。滴る肉汁。体上気。瞬く間に真露一本開く。白酒も合いそうだ。
羊スジがまたいい。なぜカルビより高いか分からないが、噛み応えがあって肉を食らっているぞぉーという気分がむらむら湧き上がってくる。ますます発奮し、うずら、牛ハツ、羊肉とねぎの炒め(これも辛味とクミンが効いている)頼み、真露もう一本飲んでへろへろだぁ。
延辺朝鮮族自治州料理は大久保を中心に急激に広がっている。中国吉林省にある北朝鮮と鴨緑江を挟んだ対岸に位置する地域の料理で、料理の中心となるのは、羊串肉と狗肉。後者はいつか話すとして、羊串肉は、出稼ぎに来た西域在住のウイグル族のシシカバブが転化したもので、かの地では屋台形式で盛んに食べられているという。