「わあ、ここは、サンジェルマンだわ」。
隣の席が色めきだっている。
見れば昼から、モエを一本開け、今ステーキフリットが運ばれてきたところだった。
その光景を見ながら、先ほど昼ごはんを食べてきたばかりだというのに、舌なめずりをする。
ここは、パリで138年続くカフェの「カフェ・ド・フロール」で、初めてフランス人以外でギャルソンとして働いた山下哲也氏が3月に開店させたカフェ「LA&LE」である。
こちとらはお昼を食べてしまっていたが、メニューにポテトサラダを見つけ、ポテサラ研究家としてはつい頼んでしまった。
ほとんどがマッシュで、人参だけが入り、隠し味にリーペリンを効かせた、品のあるポテサラである。
途中でバケットに挟んで、ポテサラサンドにもしてみた。
これはいける。
しかし隣のステーキフリットが、惹かれてしまう。
それどころか、クロックムッシュやクロックマダム、ポワローヴィネグレットやウフマヨ、ハムとチーズのオムレツやサラダニソワーズ、ムースショコラやリオレが、気になってしょうがない。
山下氏の流麗な身のこなしや、白服の給仕人たちのスマートなサ~ビスと、ここはサンジェルマンデプレそのままである。
さあ、全メニュー制覇してやる。
