京都 北大路 「仁修樓」

〜鴨は下顎がうまいの巻〜

食べ歩き ,

〜鴨は下顎がうまいの巻〜
の焼味が食べたいとリクエストしたら、上岡シェフは、「琵琶烤鴨」に仕立ててくれた。
腹開きにして琵琶烤鴨の用の串に刺し、窯で焼き上げる。
飴色に焼き上がって吊るされた鴨は、楽器の琵琶に似た形をして、福々しい。
まずは胸肉をそのままでいただく。
本場とは違い、わざとミディアムレアに仕上げた肉の断面は、一面ロゼ色で、しっとりと濡れている。
噛めば、歯がむっちりとした肉に食い込んで、肉汁が流れ出した。
猛々しい鉄分が舌を叩くのだか、優しさもある。
そのツンデレ的味わいが、いやらしい。
次にもう片方の胸肉は、餅で包んで、北京ダック風に仕立ててくれた。
皮だけのそれとは違い、こらはあふれる肉のエキスを受け止めながら食べる、中華バーガーである。
最後にはもも肉を切り分けてくれた。
骨を持って齧りつき、歯で食いちぎる。
鼻息が荒くなり、上気してきた。
その時シェフが言う。
脳みそ食べる人はいますか」。
もう、脳みそと声をだした時点で手を上げていた。
頭様が登場する。
小さな脳みそを慎重に取って口に運ぶ。
とろん。
淡い甘みを残してミソが消えた
次に頬肉、舌といって、最後に下顎をむしり取る、
ああなんたることだろう。
下顎は筋肉の躍動があり、味も濃い。
あまりにも小さいが、隆々たる肉感か、舌に迫ってくる。中国では、下顎とタンの骨を叩きあわせた料理があるという。
そりゃ北京ダックでは余るわな。
今度食べるときは下顎をもらうようにし