〜雉雲呑上湯〜

日記 ,

〜雉雲呑上湯〜
その液体を一口飲んだ瞬間に、音がなくなった。
毅然とした静けさだけが、漂っている。

それは、森の中で悠然と歩く、キジの矜恃だったのかもしれない。
鶏とは異なるその気品が、舌をゆるゆると包み込む。
さりげないうまみの底から、滋味が湧き上がって官能を抱きすくめる。
キジの肉を餡にしたワンタンが、唇にそっと触れ、肉の旨みだけを開きながら消えていく。
高貴な女性から話しかけられた瞬間のときめきを、僕はゆっくりと噛み締めた。

「茶禅華」雉雲呑上湯 雉の極上スープ