廣末屋の名物「ニラ焼きそば」である。
世界で一番健康なソース焼きそばではないかと思えるほどニラが入る。
写真の二枚目をみて欲しい。
肉やイカ。野菜と麺を炒めた後、お母さんが豪快にドサっと入れる。
初めての人は、えっこんなに入れるの? と驚くが、まだ甘い。
三枚目四枚目の写真を見ての通り、その後もドサッドサッと、わしづかみにしたニラを投入する。
そびえ立つニラ山の脇で、麺がわびしく肩身を寄せている。
食べれば、シャキシャキと歯ごたえ良く、甘く、香り高い。
ニラ炒めに少し焼きそば入れましてんと、主従逆転が起きている。
だがそれがいい。
ジャキジャキと痛快な歯ざわりの中で、柔らかい麺がそっと顔を出す。その健気さがいい。
これも八百屋やスーパーで買うのではなしに、農家から朝どれを毎日買っているから生まれる味である。
「うまいっうまいっ」ときっしんふらんあに食べていたら、
「ありがと。これ食べとっら、風邪が逃げていくき」。
いつも元気なお母さんは、そういって嬉しそうに笑うのだった。