〜いかした肉屋〜

日記 ,

〜いかした肉屋〜

「ああ買いたい。買って片っ端から食べてみたい」。
思わず唸ったその肉屋は、シドニー郊外の高級住宅街ウラーラに、ひっそりとあった。
「ヴィクター・チャーチヒル」と店名が記された下のウィンドーでは、ポップなキャラクターがソーセージを作っている。
ドアノブはソーセージ。
店内に入れば、ブティックの様なガラス張りの、美しいショーケースに飾られる肉やシャルキュトリー、パティスリー類(肉とケーキが同じ店舗にある!)が出迎える。
店内中央、ガラス張りの中にある“ステージ”に設えられた木製台では、若い女性店員がラムラックの掃除を、鮮やかに行っていた。
店奥には、ロースターがあって鶏肉が焼かれ、その横ではソーセージが作られている。
特注のチェーンラックに吊るされた熟成肉が、ゆっくりと流れてゆく。
店は、オーストラリア、中国、シンガポールの一流レストランを顧客に抱える肉製品卸売のリーディングカンパニー、ヴィックズ・プレミアム・クオリティ・ミートの一族である、ヴィクター・プハーリッチとアンソニー・プハーリッチ父子が作ったブテイックショップである。
新保さん、これはいかなきゃ。キッチン付きのアパートを借りて、食べなきゃですね。