大塚で、初めての居酒屋に入った。
かつて三業地だった昭和の匂いを引きずる、母と娘でやられている店である。
冷奴で菊政宗の常温を飲み、焼鳥で黒星を飲み、手作り餃子を三岳のロックで迎える。
さあ締めはどうしようか。
焼きそばもいいな、いやおにぎりもあるぞと見ているうちに、新たな張り紙をみつけた。
「冬季限定、サッポロ一番塩ラーメン」と、ある。
塩ラーメン研究家として本まで出した自分としては、これは頼まざるを得ない。
しかもなぜ冬季限定なのか?
焼きそば650円に対し、750円もする。
果たして。
待つこと10数分、それはタンメンであった。
豚肉、にんじん、玉ねぎ、はくさい、キャベツ、もやし、しめじ、かまぼこが炒められ、塩ラーメンスープとあわされている。
通常の塩ラーメンに野菜や豚のうまみが溶け込んだ、まろやかな味が舌を通り過ぎる。
こりゃあいい。
なにか親戚のおばちゃん家でご馳走になっている気分で、心が温かくなってきた。
大塚「種子島」





