「ラーメンです」

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「ラーメンです」。
「エスキス」でメートルがジョークを放ちながら、フォンをゆっくりと注いだ。
鶏と生姜、利尻昆布と焼いた金目鯛の頭のフォンの中で、打ちたてのタリオリーニが静かに沈んでいる。
そっとすすれば、その出汁は深く、優しく、ウニと抱き合いながら、色艶を醸し出す。
デュラムセモリナのほの甘さが、幸せそうに微笑んでいる。
ああ、僕に明日をくれてありがとう。

そして次は、金目鯛である。
金目鯛料理は、そもそもどこか野暮ったい。
脂がのっているのはいいのだけど、その脂がくどく、切れが悪い。
しかしリオネルは、金目鯛に潜むバターとチーズの匂いを引き出した。
乳清を使ったソースは、ミルキーな甘みで金目鯛のバター香と抱き合い、セージがチーズ香と溶け合う。
ソースに抱かれながら、舌の上で花弁のように舞う金目鯛は、僕らの知らないエレガントがあって、若林さんが奨めてくれたワインと、優美に踊るのであった。