全国には数多くの有名な寿司屋がある。
伯方島の「あか吉」には、マグロはない。
コハダもない。
イクラは置いているが、出すことは稀である。
だがここの魚はすべてが、ここでしか食べることができない。
なぜなら、すべてが周りの海で取れた魚であり、その魚たちは、全国の料理人がその魚を欲してやまない漁師、藤本純一氏さんが獲り、整えた魚なのである。
あまりにも多くの料理人が欲しているため、新しい付き合いの方は、数年待ちという人もいるらしい。
そんな藤本さんの魚の中でも、一級品がここには届く。
3度目の来訪になるが、いつも驚かされる。
それぞれの魚が持つ力に打たれ、澄んだ美しい味に惚れる。
今まで食べてきだなマナガツオやカマスは、なんだったのだろうと、目を見開きながら脳幹を撃ち抜かれ、唖然とするのである。
ちなみに今回最も驚いたのは、カマスとエボダイの握りであった。
その壮絶なる味わいは、