今月のすきやばし次郎

食べ歩き

今月のすきやばし次郎
9/14次郎
「まだ頑張ってるでしょ。来月94歳になるんだけどね。もう少し頑張らなきゃね」。そう言って二郎さんは、屈託のない笑顔を浮かべられた。
握りに寸分の狂いもない。いやより軽やかになり、優美が増した気がする。
かれい
時期のかれいに合わせたのだろう。いつもより身が厚く切られている。噛む回数が多い分、甘みが濃く滲み出る。一方今までと寸分変わらぬ握りなのに、薄く切ったかれい同様、酢飯とかれいが同時にきえていく。切った厚さによって微妙に酢飯を握る二郎さんの仕事が素晴らしい。
新イカ
新イカより、少し大人になりつつある歯ごたえが、いじらしい。今日のわさびは強い。
シマアジ
脂がのっていながら、それを感じさせぬエレガンス。
赤身 ほのかに酸味広がる
中トロ シルキーでスムース。気品という言葉は、この中トロのためにある。
大トロ 脂と筋肉が境目なく抱き合った、丸い味わい。
シンコ 体は子供なのに、大人の気配がある味の太さ
あわび 開けた口に海の香りが忍び寄る。噛めば噛むほどに、甘く柔らかい滋味がにじみ出て口を満たしていく。、
アジ 変わらずの素晴らしさ。口に入れて噛んだ瞬間、酢飯と舞いながら溶けるように消えていく。うっとりと中空を見つめる。
車海老 変わらずの程よい大きさ、これほどの大きさを揃えるには、並大抵ではないだろう。しっとりと日が入って、貴い甘みがこぼれ落ちる
イワシ なんともみずみずしい。先ほどまで生きていたかのような鮮やかさが味にある。滑らかで臭みなく、味に淀みが一切ない。
カツオ 燻した藁の香りが鼻先をくすぐり、噛めば実にきめこまやかで、血潮の香りがほとばしる。
シャコ 茹でたシャコとは違い、含め煮にしてあるため、カツオブシ(卵)が固まることなく、粉雪のような微粉となって、舌の上に舞い散る。
あじす 思わずお代わりをしてしまった。味の芯が太い。、ぐんとのった脂を酢がいなす塩梅にこあをさた。
ウニ 夢見心地となるウニの軍艦巻きは、ここでしかいただけない。、
小柱 くりっ。いやグリッ。小さな柱が、ほの甘い香りを流しながら、存在を示す
いくら あっという間もなく、いくらは潰れ、消えていく。
穴子 ムースよりもはかない。噛むまでもなく、歯がふんわりと包み込まれ、圧倒的なうま味で満たされる。
あなきゅう 次郎の穴子の質の高さに撃たれる逸品。
中トロ手巻き 海苔の良さを一番感じられる手巻き。次郎では、軍艦巻きにする海苔、細巻きにする海苔、手巻きにする海苔と、それぞれ用途に合わせて、三種を使い分ける。手巻き用は、味わいや口どけも大切ながら、香りを重視した海苔が使われる。
玉子