「ととまめ」

食べ歩き

「ととまめ」と、新潟では呼ぶ。
塩蔵いくらをさっと茹でたものである。
魚の豆とはなんと可愛らしい名前だろう。
おそらく生臭みを嫌ってのことだろう。
昔はよく食べられていたという。
新発田「鮨 登喜和」で、出された。
これは83度のお湯でさっと茹でたものだという。
酢飯の上に乗せられたととまめは、頬を染めた少女のようで愛らしい。
酢飯とよくよく混ぜて口に運ぶ。
卵の卵たる黄身に似た甘みが米の甘みと抱き合って、思わず笑う。
いくらのよそよそしさとは違う、親しみが心を温める。
東京の寿司屋と同じ種を出す地方の店もいいかもしれないが、せっかく足を伸ばしたんだもの、こういうものに出会いたいなと思うのが人情ではないだろうか。