静かなリゾットである。
口に入れた途端、心が押し黙る。
さざ波が消えて、安寧な気分になる。
まず、赤玉ねぎのジャムのふっくらとした甘みがやってくる。
そしてパルミジャーノの塩気とうま味が広がり、バルサミコの酸が漂う。
甘味、塩気、うま味、酸味。どれもが突出することなく、見事なバランスで佇んでいる。
その均整が美しい。限りなく美しい。
美しさが、幸せのため息をつかせる。
いたってシンプルなリゾットであるが、この一ミリの狂いもない味の均整は、我々には到底できないと思う。
「酸味は味わいに色彩を加える、重要な要素だと思っています」。そう宮根シェフは語った。
代々木公園「オストゥ」の「熟成カルナローリ米を使ったヴェルジェーゼ風リゾット」。100年間に、ニーノ・ヴェルジェーゼというシェフが作ったレシピで、シェフがバローロで働いていた時代に、何度も作ったというスペシャリテである。その料理は、質素であるということが、いかに豊かさをもたらすかということを、教えてくれる。
口に入れた途端、心が押し黙る。
さざ波が消えて、安寧な気分になる。
まず、赤玉ねぎのジャムのふっくらとした甘みがやってくる。
そしてパルミジャーノの塩気とうま味が広がり、バルサミコの酸が漂う。
甘味、塩気、うま味、酸味。どれもが突出することなく、見事なバランスで佇んでいる。
その均整が美しい。限りなく美しい。
美しさが、幸せのため息をつかせる。
いたってシンプルなリゾットであるが、この一ミリの狂いもない味の均整は、我々には到底できないと思う。
「酸味は味わいに色彩を加える、重要な要素だと思っています」。そう宮根シェフは語った。
代々木公園「オストゥ」の「熟成カルナローリ米を使ったヴェルジェーゼ風リゾット」。100年間に、ニーノ・ヴェルジェーゼというシェフが作ったレシピで、シェフがバローロで働いていた時代に、何度も作ったというスペシャリテである。その料理は、質素であるということが、いかに豊かさをもたらすかということを、教えてくれる。