東京とんかつ会議77
世田谷・上町「かつ善村上」の特選ロースかつ定食2300円【肉2衣2油2キャベツ3ソース2御飯2味噌汁3お新香2特記なし 合計18点】
世田谷通りに粋な黒塀を構えるとんかつ屋である。薄明るく、品が漂う店内をご夫婦二人で切り盛りされている。世田谷の舌の肥えたお客さんたちが、この店を愛用されているのだろう。休日の昼に出かけると、団体客や家族連れで賑わっていた。
ロース肉は、肉に甘みがあって十分においしいが、多少決めの細やかさに欠け、そのため食べていくと次第に火が通ってしっとりとした食感が失われていくため、「特に優れた」ではない、「優れた」である2にした。
衣は中粗で焦げなく、いい色合いに上がって、サクサクと香ばしいが、中央部に若干剥がれが目立つ。独特の香りとほの甘さを持つ油はコーン油だという。そのため軽く揚がって衣が軽快だが、揚げてすぐまな板に起いて切るため、中央部にやや油切れの悪さを感じてしまう。いずれも少しの仕事の訂正で治るだけにもったいない。
キャベツは細く、みずみずしく甘く素晴らしい。ソースは若干甘め、卓上に塩はおかれているが、食べている途中で、「塩胡椒です。断面につけてどうぞ」と豆皿が渡された。背脂と肉が繋がっている部分につけて食べると、胡椒のアクセントが脂の甘さを生かし、美味しかった。ソースは甘めだが切れがいい。ご飯は甘く、なめこと豆腐の赤だしも香りいい。
お新香は、かぶとかぶの葉の浅漬けで、とんかつを食べるにはいい合いの手である。特選ロースかつ定食にはお新香の他に冷奴とひじきの小鉢がつく。一方上新香を頼むと、大根ときゅうり、人参の浅漬け、赤カブに沢庵の薄切りであった。二つの小鉢を廃止して、かぶとかぶの葉の浅漬けに、大根ときゅうり、人参の浅漬けを少量でいいから組み合わせれば、より素敵な和定食になるのに、と感じた
山本氏
【肉3衣2油3キャベツ3ソース3御飯2味噌汁2お新香3特記ヒレかつ1合計22点】