東京とんかつ会議7
高田馬場「成蔵」上ロースカツ定食1500円(昼)
<肉3、衣2、油3、キャベツ3、ソース2、御飯2、新香3、味噌汁3、特記1【海老フライ1本530円】 計22点>
とんかつ屋にしては珍しい白を基調としたカフェのような店内は、油臭くなく、清潔感に富む。リブロースを使った160gの「上ロースかつ定食」は1500円(夜は1800円)。都内で、1500円で食べられるとんかつとしては、最上級ではないか。
しっとりと汗をかいた肉の断面は、うっすらとロゼ色で、なんとも艶っぽい。そのまま口に運べば、中粗の衣がカリリッと音を立て、きめ細かい肉質に歯が入っていく。ほの甘い肉汁がこぼれ、なんとも幸せな気分となる。甘い香りを含んだ脂も引き締まりながら、さらりと舌から消えていく、キレよさ。毎朝市場で厳選して買い付けるという肉は、柔らかいながら、噛んで噛んで肉のジュースをあふれさせる喜びがある。端の部分もしっとりとして上等の揚げ上がりだった。
衣は中粗ながら、油切れよく、軽さの中にラードの香ばしさを含むが、より細かく、均一にした方が、この肉をより活かすのではないかと思えた。
ソースは上等だが、やや味が濃く、肉の繊細な甘みを消してしまう。塩も何もかけず、そのまま食べるのが最上で、しかもご飯も恋しくなる。
都度都度手切りされるキャベツは、細く、甘く、みずみずしく、キャベツへの愛を感じ、ついおかわりしてしまった(100円)。豚汁も、沢庵、大根、キュウリ、キャベツという布陣のお新香も、申し分なし。ご飯がさらに上向けば、最強の定食となろう。
甘みがプリッと弾ける大きな海老フライ、180gの特ヒレカツ定食「シャ豚ブリアン」(昼2100円 夜2400円)も、素晴らしい。