「レスプリ・ミタニ」。ご存知アラカルトがなく、前菜二品と主菜一皿が常に日替わりという新進の店である。
本日は味ウルサ軍団の集いゆえに、
「この前いただいた豚のモツ煮込みはぜひ。羊の腿か沖縄の子豚の丸焼き、あるいはドーバーソールもいいなぁ」なんて、事前にわがままを告げていた。
訪れると、
「今日はフランス産のいいホロホロ鶏が入りましたので、それをお出しさせていただきます」。嬉しいじゃありませんか。
大量の生牡蠣と赤座エビをシャルドネでやっつけた後は、念願の豚モツ煮込み。
野菜の甘みが前面に出た優しい優しい味わいで、溶けるように消えていく上質な豚モツと温かく結びついている。
これは脳を発奮させるのではなく、沈静化させる煮込みだね。
素晴らしいです。
煮込みの余韻に浸っていると、どうだぁとばかりホロホロ鶏君が登場した。
きめ細かくしっとりとした肉質には、淡いながらも噛みこむ喜びを感じさせる肉汁に満ちている。
八人の同士は皿に突進し、肉片を取り合い、ほおばり、笑い、うなずき、気がつけば、皿は空になっているのであった。
付け合せは、皿ごと出てきたグラタン・ドフィノワで、こちらも瞬く間になくなる。
実に楽しき仲間とのエピキュリアンな宴でありました。
ちなみにイブイブの今夜は、仕事で夕食抜きゆえに、その空腹を癒すために数週間前の鶏ネタを書いて反芻しております。はい。