牟礼の「菊すし」

食べ歩き ,

牟礼の「菊すし」へ。以前某料理雑誌のすし特集で、こんな地にこんなすばらしいすし屋がある!!と、四ページに渡って紹介されていたすし屋さんである。
ついてみれば、あらまあ、すし屋はおろか他に飲食店は一軒も無い地である。入ってみればどうだろう。座敷もテーブルもカウンターも満席。大にぎわいである。
ただし満席なのにどのテーブルも料理が滞ってない。おぬしなかなかやるな、大将。
そんな親方は、
「わたし日本語上手じゃないんで、フランス語でお願いします」という、しゃれを飛ばす美男子。
「ウィ、ムッシュ」と答えれば
「なにいってんの」と陽気な女将がかえす、楽しい店である。
藤岡さんの配慮で我々は、親方前のポールポジション。さあ宴の開始である。
1,ポテトチップスを浮き実に乗せた、にんじんポタージュ
2,カワハギのお造り、キモダレ(カワハギのうまみを生かし
た厚さすばらしき)
3,ネギマ(マグロもいいが葱が甘い)
4,赤貝わた煮(ああ酒が進む)
5,海老味噌(甘エビの味噌を裏ごしして塩と酒と混ぜた逸
品。酒飲みにはとてもやばい)
6,ブリかま焼き(脂の質がなんとも上品)
7,香箱蟹(内子のうまさよ)
8,ブリ肝(きめ細かく、ねっとり、一同昇天)
9,バイ貝肝(部位によって違う風味のする不思議な肝)
10,バイ貝刺身
11,握り!!
アラ(クエほど荒々しくなく、上品なうまみ)
金目(しなやかな食感と甘み)
コハダ(富山、不思議? 普通の大きさなのにシンコのよう
な香りがする)
縞海老(新潟)
ホタテ(立派。平貝のような緻密な繊維質)
サバ(富山 燻製、ぐっとのった脂の香りと燻香が入り混
じって、ああいけません)
コハダ(船橋 さっきの1.5倍、脂がのるが臭みギリギリ
さっきのコハダとは別の魚)
平貝(上質)
アオリイカ(富山では今が旬 柚胡椒がいい)
ヅケ(鉄分、酸味お見事)
中トロ(大間 舌と同化)
鯵(富山 脂の切れよし)
うに(襟裳 甘み)
蒸し鮑(粗塩で 香りよし)
穴子(塩とツメで)
鉄火巻き
ネギトロ
ふぅっ。最後のほうはかなり酔っていたので、忘れた種もあるやもしれぬ。
しかし、酢飯の温度も味付けも硬さも、握り具合も姿も申し分なし。
雛にもまれなといいますか、実に気持ちのいいすし屋さんだ。
酒は吟醸酒を一人五合近く飲んだだろうか。それでしめてお一人様約一万円。嗚呼泣泣。欣喜雀躍。
余韻をかみ締めつつ、一人無人の牟礼駅から帰京いたしました。