「カキフライ始めました」。

秋になると、この文が現れる。

しかし、食べたいっという気持ちを抑え、翌年まで我慢する。

そこで想いを一気に爆発させるのである。

しかも年末より一月の牡蠣は、さらに旨味を増すというではないか。

カリッ。

熱々の衣を噛むと、ミルキーな海のジュースがこぼれ出し、思わず笑う。

最初はなにもつけずに、次が塩を振ってビール、お次はレモン、最後はウースーターソースをかけて、白いご飯を掻き込むのである。