軽い気持ちだった。
「鶏の唐揚げ作って」と、無茶ぶってみた。
一つは当然ながら、鶏の唐揚げである。
むちっと肉汁に溢れ、衣はカリッよりガリに近くしっかりして、その対比的な食感が幸せを呼ぶ。
しかしこれで終わる奥野シェフではない。
もう一つは、リードヴォーの唐揚げであった。
ガリッとかめば、しなやかな肉体が現れる。
ふわりとした食感から、ミルキーな優しい甘みが流れ出た。
これはエロい。
巷に数ある唐揚げ屋には、そそられないが、もしこんな店があったなら通ってしまうだろう。
いやフランス人に食べさせたいなあ。
デブスブリアンツァにて