日本橋の老舗蕎麦屋、「利久庵」で、「並カツ丼」1600円と「上かつ丼」2600円を食べ比べる幸運を得た。
千円も高い「上」とは、どんなものか、長らく気になっていただけに、嬉しい。
注文すると「20分ほとお時間いただきますが、よろしいでしようか」と、聞かれた。
厚い分、揚げるのに時間がかかるのだろう。
さて、並と上の違いは、以下の通りである。
1.器。並は正統派である蓋つき錦手の丼。上は、お重。つまり上はかつ丼ではなく、かつ重なのであった。
2.肉、肉の厚さは、上が約倍。
写真3をご覧あれ。
3.上のお新香は蕪が増える。
4.上のすまし汁は、鶏肉入り。
なるほどさすが先代主人は、見識がある。
カツ丼としては、並の方が一体感があり、おいしい。
世の中には、かつ丼やカツカレーにやたら肉が厚いものを好む人がいるが、それでは掻き込む時に、ご飯と馴染まず、協調気が取れない。
かつ丼の理想はやはり、三大原則「揚げたて。薄くて。蓋閉めて(一瞬蒸らすことにより一体感が出る)」という「三て主義」なのだ。