アワビ

食べ歩き ,

水と酒で四時間煮、煮汁に漬ける。

香りが立つよう、少し温めて握る。

これも「次郎」が最初。

口を開けた瞬間に、生とは違う熟れた海の香りが漂って誘い、しっとりとした肉体を噛めば、じんわりと滋味が滲み出て、噛みゆくうちに海の豊穣が膨らんでいく。

銀座「すきやばし次郎」にて