お値打ちの価値観。

食べ歩き ,

 
ヨックモックミュージアムのカフェ、「ヴァローリス」に入った。
「大地鶏のクラブサンドイッチ」が、無類のサンドイッチ好きとしては、食べたかったからである。
ドリンクセットで1800円は、ちょいと高いが気にしない。
11時の開店と同時に入って注文すると、「サンドイッチの到着があと10分ほどかかりますが、よろしいでしょうか?」と、聞く。
さらに「もしよろしければ、ドリンクは2杯分つきますので、先にお出ししてお待ちになりますか?」と、聞く。
ドリンク2杯分。メニューには書かれてないが、なにか得した気分である。
紅茶の脇には、プティシガールが添えられていて、また少しだけ得した気分になる。
先にミルクティーをもらい、10分という優雅な時間を過ごしていると、サンドイッチが運ばれた。
サンドイッチを食べながら、ミルクティーを飲む。
やがてミルクティーが無くなる頃を見計らって、店員がやってきた。
「もう1杯は、同じものになさいますか? それとも変えられますか?」
違う飲み物を頼めるのか。
「コーヒーをください」。
運ばれてくると、器も違う。
またなにか得した気分になった。
後日ある飲食街のレストランで、昼にパスタを頼んだ。
頼んだあと、昼だけどビールでも飲むかとメニューを見ると、小ビール300円とある。
安い。
隣には、「昼だからコップでワイン」と書いてある。
値段を見ると、なんと「一杯目は無料」とあるではないか。
早速赤ワインをお願いした。小さめなコップだが、並々とワインが入っている。
それを飲みながら、パスタをいただく。
食べ終わった。
だがなぜか、お得感はない。
タダだというのに、得した気分は生まれない。
お客さんの心理というのは、面白いなあ。