第一回、キュイジーヌシネマin函館に行った。
食の映画に特化したフイルムフェスである。
函館の旧公民館の立ち入り禁止であった図書室で映画を観て、隣接した公園の屋台で食べる。
他にも似たようなフェスはあろう。
だがおそらく他とは違うのは、その屋台の食事が正しくおいしいのである。
その飯島さん自らが作る、「深夜食堂」の豚汁と「南極料理人」の「鶏唐揚げ」からいただいた。
ほんのりごま油が効いた豚汁は、根菜の沸加減がいい。
大量に仕込んであろう大根も、人参も、じゃがいもも、柔らこうなっているのに、ここまで煮えたらあかんというギリギリのところで止まっている。
たまからそれぞれの味がイキイキとしてる。
唐揚げは味が強くないが、ほどよく後を引く味にとどめている。
その品がたまらない。
その他ニッポニア斎藤シェフの、ブリのフィレオフィッシュバーガーは、加熱加減が精妙で、オオズワイガニのコンソメは甲殻類の旨みに溢れていた。
「めん処はなぶさ」の味噌ラーメンは、クリームといりたて胡麻が入ったスープがとろりと舌を包み、ピッツェリアデラニマのピッツァは、薪釜出ないのに、香ばしい。
道産ワインや熱燗、ホットビールを飲みながらこれは全種目制覇だと、一人イキを上げる。
最後は、160年の老舗、「千秋庵」が作る焼き立てどら焼きを頬張り、希少小豆、あかね大納言の優しさに目を細めた。