岐阜「川原町 泉や」

鮎を国違い、川違いで食べ比べる

食べ歩き ,

  • 小川川と勝賀瀬川の鮎

  • 郡上川の鮎

  • 鏡川の鮎

  • 和良川の鮎

  • 馬瀬川の鮎

  • 府屋大川の鮎

鮎を食べ比べた。

高知と岐阜の川違いである。

1匹目は、全国で水質一位である仁淀川の支流小川川の鮎を食べた。

澄んでいる。

味がきれいで香りも淡い。

仁淀ブルーとも言われる、澄み渡った藍色を泳ぐ姿が見えてくる。

次はその支流である、勝賀瀬川の鮎をいただいた。

こちらの方が甘味がうっすらとあり、身質はしっかりとしている。ただ小川川の方が若干香りはある。

肝も苦くもなく、甘みもなくすっきりとした味わいだった。

次に岐阜長良瀬の上流郡上川の鮎をいただく。

高知より大きいそれは、身がしっとりとして甘み強い。

肝も味が濃く、微かな甘味がある。

次は高知に戻って、強くあまい鏡川の鮎をいただいた。

唯一のダムがあって、透明度は薄れているせいだろうか。

先の高知の2匹より少し濃い味がする。

再び岐阜に戻って、名産地で知られる和良川の鮎をいただいた。

おおっ。こんなに違うのか。

和良川のそれは、最初の一噛みから味があって、神進に従ってぐんぐん伸びていく。

そして肝がうまい。

うま味と甘み、ほのかな苦味が渾然となって、こちらを攻めてくるような味である。

最後は、去年の岐阜鮎食べ比べで一位となった馬瀬川の鮎である。

こちらも和良川同様に味が濃く、香りも高い。

だが和良川の方が、身と肝の両方において若干味わいが濃い。

僕の中では和良川がグランプリである。

食べ方もよりよく味わいの違いを感じるために、まずは尻尾から頭に向かって食べ進んだ。

泉さんによれば、やはり水がきれいだと、味が淡くなるのだそうである。

また高知は天然遡上で、岐阜は琵琶湖の稚魚放流であるが、泉さんの経験では、稚魚放流の方が味が載っているのだという。

鮎6匹、モスそれだけでお腹がいっぱいである。

今年各所であゆをいただいたが、やはり「河原町泉や」にかなうところはない。

唯一面白かったのは、「新ばし星野」でいただいた鮎だった。

新潟村上市の府屋大川の鮎で、同じく尻尾からかじった瞬間、苔のような緑の香りが放たれたのであった。

岐阜「川原町 泉や」にて