オマールは海老味噌にまみれて、これでもかと食欲を煽ってくる。
「馬来盏」というマレーシアで使われる蝦醤で、店で独自に発酵させた蝦味噌に、ニンニク、唐辛子、エシャロットと油炒めにされていた。
フランス料理におけるオマールのエレガントさとは違い、これは民の力強さがある。
食べた瞬間に、ああご飯が欲しいと熱望する勢いがある。
しかしご飯を頼んではいけない(頼んでもいいけどね)。
エビを食べた後にこの春雨をすする。
濃厚な蝦味噌の旨みが発酵して複雑な味わいとなり、そこへニンニクとエシャロットの香りが覆いかぶさり、唐辛子がアクセントする。
ムフフ。ムフフと一人にやけながら、春雨をすする。
しかし春雨を食べながら、また、猛烈に白ご飯も恋しくなる。
困った奴なのであった。
干捞粉丝焗波龙
オマール海老と春雨 マレーシアソース炒め
麻布台ヒルズ 虎景軒 HuJingにて
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