ビビンバは、ビビン(混ぜる)とバッ(ご飯)の合体である。
オンマの経験では、男性たちが先にご飯を食べ、女性のために少しずつおかずを残しておく。
女性たちは、その残ったごおかずをご飯に混ぜて食べたのが始まりとされる。
韓国料理屋ならどこにでもあるが、この店で食べてからは、他では食べられなくなった。
まずご飯は炊きたてである。
ナムルや牛ひき肉の炒めも作りたてである。
そしてそこに季節の生野菜を加える。
80数歳になるオンマが、炊きたてご飯の上におかずをのせ、混ぜていく。
丹念に丹念に素早く混ぜていく。
韓国料理の良き味は、「手の味」という。
熟練のオンマたちが長年作り続けてきた、手の感覚で作り上げるからである。
コロナ前は、手で混ぜられていた。
しかしコロナ後は銀の特製スッカラを使う。
そこがちと寂しいが、オンマの手はひと時の休みもなく、目を凝らしながら混ぜていく。
やがて完成である。
料理とはアラミニッツが一番美味しい。
それをこのビビンバが証明してくれる。
野菜はみずみずしく弾け、各ナムルの香りが次々と花開き、ひき肉の旨みが広がる。
それを熱々ご飯の甘みが受け止める。
一つでも作り置きがあったら、この味にはならないだろう。
そしてオンマの「混ぜる」がなければ、この味は成り立たない。
おかずとご飯がマカよくなるように、優しく混ぜる。
それだけではない。
このビビンバには、オンマがお客さんのことを思いやりながら、「おいしくなれ、おいしくなれ」という念が混ぜられているからこそ、世界一なのである。
誤字正式なビビンバ の由来を教わった。いかに記す。
비비밥(ビビンバップ)の起源は少なくとも現存する文献で確認された西暦1800年を優に遡り、発祥の地である韓国で概ね大勢を得ている論としては(現代でも実際にそうであるように)法事でお供えした物を式後に家族で一緒に混ぜて合理的に美味しく頂く所から来ている物で、他にも新年を迎える前に今年の物を全て食べて新しい年を迎えると言う説、戦場で素早く栄養補給が出来る様に、農作業の合間になるべく手をかけずに作れる様になどの説もあります