天竜「竹染」

ラスト猟師。

食べ歩き ,

店主片桐邦雄さんは、料理人であり、猟師である。

罠にこだわる猟師である。

毎朝、罠を見回り、かかった獲物を生きたままジムニーに載せて運び、解体する。

血が筋肉に入り込まない肉は、きれいでさらりとし、いくらでも食べられる。

レバーは、焼いてもシコシコとして、血の味が濃い。胃袋は命の気配があって、強烈な弾力が、噛み切ることを拒絶する。

噛むごとに命が焚き付けられていく。

そこで焼酎をガバガバ飲むのだが、まったく酔わない。

どうやら猪の精気が、アルコールを腰抜けにさせてしまっている。