浅草の立ち飲み屋「ひととなり」のボールは、爽やかとたくましさが同居している。
焼酎はタカラ焼酎でシロップと先割してある。
炭酸は、泡が凛々しく強いことで知られる、通称「稀代の暴れん坊」日本炭酸製を使う。
炭酸を入れてから、シロップや焼酎を入れる店が多いが、ここは最初に炭酸を入れる「先炭」方式である。
かなり焼酎が濃く、シロップ薄めなためアルコール分を感じ、飲みごたえがあっていい。
こういう炭酸の粋がいいやつは、ボール評論家藤原氏によれば「炭酸七拍子」というのだそうである。
「ひととなり」はつまみも素晴らしい。
北千住「永見」出身の店主によって、ひねりの効いたつまみがある。
例えば「赤ウィンナー串」は、串刺しした赤ウィンナーを上火の魚焼き機で焼き上げており、余分な油も使わず少し焦げてカリッとしているところが、下品の品格をあげて、たまらない。
もつカレースープや寿揚げ、半熟卵に技がある鶏軟骨つくね焼き、ホテマカサラ、はんぺんチーズ揚げ、ピーマンチーズ豚バラ巻きなど、どれもおいしいが、絶対抑えねばならないのが、ぬか漬けである。
「永見」では、ぬか漬け担当だったとのことで、その塩梅が素晴らしい。
ぬか漬けつまみながら、ボールを飲む。
明日もきっといい日だな。