仔豚は、バラ肉が一番うまい。

齧ってそう思った。

「ガリリッ」。

肉に歯を立てると、皮が叫ぶ。

そのまま肉にめり込んでいくと、ちゅるりと脂が溶けて、甘く香る。

成人とは違う、つたない甘さに、心がうずく。

脆皮烤乳猪。

ガラス系のパリンとした焼き方ではなく、ゴマのように見えることから芝麻皮と呼ぶ皮の仕上げである。

「ガリリッ」。

という勇壮な歯ごたえが魅力で、中のしなやかな肉が一層輝く。

最初は、北京ダック風に烤鴨餅カオヤーピンに、甜醤と包んで食べる。

香ばしい皮と皮下脂肪の幼き甘さに恋をする。

次に「割包クワパオ」で包んで食べる。

もっちりとした生地と凛々しい皮の、食感の対比が楽しい。

最後は丸かじりである。

茶色の皮と、中に見える淡いピンクの肉に白き脂を見ているだけで、たまらない。

一度かじれば、無我夢中、一心不乱で食べ終えてしまった。

京都「仁修楼」にて。